正にBULLSHIT JOBS、クソどうでもいい仕事

 


「ベテラン教員を忙殺する"いらない書類仕事"の実態」


先日某ポータルサイトのニュース記事で見たタイトルだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6328ac417788356fcb3402ea471862114ba12ead


教員の長時間労働が問題になっているが、その原因の一つが、教育委員会から教育現場に課される書類作成業務で、これがなくなれば、全国で約10万人が教員本来の仕事に戻れると言う内容のものだった。



なんでも、週に100の書類提出が求められて、その内のいくつかは、教育委員会の「やってます感」を出すためだけのアンケートやら、コンテスト応募書類だったり、責任回避のための通達文書らしい。


この記事を見た時、自宅の本棚にあったこの本を思い出した。


デヴィッド・グレーバー著

「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」


この本によれば、ブルシット・ジョブには、以下5つの主要類型があるとのこと。


1.取り巻き:だれかを偉そうにみせたり、偉そうな気分を味あわせたりするためだけに存在している仕事


2.脅し屋:雇用主のために他人を脅したり、欺いたりする要素をもち、そのことに意味が感じられない仕事


3.尻ぬぐい:組織のなかに存在してはならない欠陥を取り繕うためだけに存在している仕事


4.書類穴埋め人:組織が実際にはやっていないことを、やっていると主張するために存在している仕事


5.タスクマスター:他人に仕事を割り当てるためだけに存在し、ブルシット・ジョブをつくり出す仕事


前述の教育委員会からのアンケートやコンテスト応募書類は、正にタスクマスターだよね。


こんなもんなけりゃ、先生たちだって子供と向き合う本来の業務に専念できるはずなのに…って考える一方で、この手の話しは、どこでもある話しで、組織に属して働く限り無くなりはしないんだろうな…とも思っている。


自分が会社員だった頃もそうだった。



業績考課や昇進に何ら効力を発揮しないくせに提出を義務付けられる職場内360度評価、働きがいアンケート、キャリア形成計画書の類が正にそれだった。


これらは何れも考課や昇進に効力は無く、ただ人事部の「やってます感」を出すために行なわれているとしか思えないような運用しかされていなかった。


めちゃくちゃ忙しい年度末や半期の締めの時期に、提出を求められるのにも閉口した。


忙しさの最中、人事部の「やってます感」醸成のためにしかならないことを、何で半期の中頃の暇な時期に実施しないのか理解に苦しんだのを覚えている。


それと、CC送信されてきたメールの大半がブルシット・ジョブに該当したな。


「念のため送っときます」程度のものより、暗に「トラブル起きたときは知らないと言わせないからね」とか、「あんたこのメールの見たってことは内容承認したってことだからね」と言ったような、送信者のリスクヘッジのためのメールが多数送られてきて、メールボックスのチェックに時間を取られるようなことも日常茶飯事だった。


最近結構日本企業の生産性の低さが論じられているけど、ブルシット・ジョブを排除すればかなり改善されるはずと思いつつ、その前にブルシット・ジョブを認識される重要性を感じている。


まぁ、もう組織に属していないから意味ないんだけどね…


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