事業に対する考え方の隔たり

日本初のコンビニチェーンの黎明期の奮闘をまとめたテレビ番組を最近見た。

 

そのコンビニチェーン誕生の際は、母体である本流、スーパーチェーンの経営陣からの風当たりが厳しかったことが番組中に描かれていた。

 

何らかの問題を抱えた本業と、その現状を打開すべく立ち上げられた新規事業。

 

同じ会社でありながら所属する部門によって見えている景色が違い、対立を生んでいることは意外に多いようだ。

 

自分が今いる状況もそれと同じ。

 

社の事業の本流に翳りが見える中、立ち上げられたはずの新規事業。

 

経験の無い新規事業領域に投入された社員の内、適応できる社員は少なく、事業開始からかなりの年月が経つにもかかわらず、多くの者はあまり機能できていない。

 

なにせ、畑違いの主力事業の業務経験しかないので、新規事業領域の知識は顧客よりはるかに劣り、競合企業の社員に遠く及ばない有様。

 

いち早く適応できた者にも業務が集中し、彼ら彼女らのモチベーションもいつまで保つかわからない状態だ。

 

適応出来ない者の何名かがメンタルをやられているだけじゃなく、適応できた者もの中にも、過度な業務負担からヤバい感じの者も出始めている。

 

そんな状況を見れば、

・未経験領域に適応できていないメンバーのトレーニング方法を確立する。

・経験者を外部からスカウトする。

・今後を考え、若い社員を配属してOJTを行いながら育てる。

なんてことを考えるのは当たり前なのだが、トレーニング方法の確立以外は、すんなりと意思決定者の承認を得られていないのだ。

 

トレーニング方法に関しても、社内に新規事業分野に精通するものがいないのだから、やるべきという承認は得られても、現状では実行に移すことは出来ないのだけれど…

 

新規事業領域に対応できる人材の確保と育成は急務なので、本流部門内の部署ではあるが、新規事業部門と関連の深い部署の然るべき立場の者に、新規事業部門の円滑運営はそちらにとってもメリットあるはずだから、人的リソース改善に力を貸して欲しいといった話しをしてみた。

 

だけど、やはり結果は同じ。

 

与えられたリソース内で業務遂行すべしという意見に変わりはなかった。

 

主力事業の付加価値を高めるシナジー効果でも無ければ、主力事業から新たにリソースを割くことなどありえないと言った反応が返ってきた。

 

新規事業部門にいる人間は、「この事業の確立こそが社の命運を握っている」と思いがちなのだが、主力事業部門にいる者にとっては、新規事業は本流たる主力事業を立て直すための手段に過ぎず、ダメなら他の手を講じるだけだと思っているんだな。

 

新規事業部門に身を置く者としては、後10年も経てば、マーケットの規模が大幅にシュリンクするのが明らかな主力事業を立て直そうとする思考は到底理解できないのだが、主力事業部門の者は、主力事業あってこその我が社だという考えなのでしょうね。

 

同じ会社だけど、事業に対する考え方や見え方が違う。

 

言い方を変えれば、同じ会社だけど味方じゃない。

 

そんなことを改めて感じることになった出来事でした。

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